八角形のメインルームが美しいロックウッド邸 in ブラックヒルズ サウスダコタ州
米国サウスダコタ州ブラックヒルズに建つダグラスファーのティンバーフレーム
The Lockwood Home – Black Hills, SD
サウスダコタ州とワイオミング州の境界に位置し、広大な自然が広がる孤立した山脈、ブラックヒルズ。この地域には、紀元前11,500年以上前から人々が住み始め、長い歴史の中でさまざまなインディアン部族が定住し、独自の文化と生活を築いてきました。しかし、1874年にブラックヒルズ遠征隊がこの地で金鉱を発見したことで、状況は一変します。翌年からは金を求める多くの鉱山労働者が押し寄せ、インディアンたちは強制的に移住させられました。そして、金やその他の天然資源の本格的な採掘が始まり、鉱山労働者たちを中心に次第にいくつもの町が形成され、この地域は急速に開発されていきました。
そのような町の1つに建てられた、八角形のメインルームが特徴的なティンバーフレームをご紹介します。このティンバーフレームに採用されている独特の八角形のメインルームは、かつてハースストーンがバージニア州で手がけた別の邸宅のためにデザインしたものを使用しています。
東京ドーム約3.5個分に相当する約16.2ヘクタールの広大な敷地に建つこのティンバーフレームは、延床面積557㎡を誇るベースメント付きの平屋建てとなっています。正面玄関を入ると、約14.6㎡の八角形のメインルームが広がり、その空間にはリビング、キッチン、ダイニングが配置されています。その中心には、まるでキャンプファイヤーを思わせるような大きなファイヤーピットと煙突が据えられ、開放感のある暖かな雰囲気を演出しています。
ティンバーフレームのログ材には、短期間で人工的に木材を乾燥させる「キルン乾燥」処理が施されたダグラスファーを使用しています。そして、内柱の無い広いメインルームの天井を支えるハンマービーム構造の屋根には、8つのトラスと継手を精巧に組み合わせ、構造計算を行った上で設計されています。
2階に位置するメインルームの両側には、広々としたバスルームが付いた主寝室と、石造りの大きな暖炉を備えた多目的ルームがあります。
1階のベースメントには、ピンボールやスロットマシーンなどのレトロなゲーム機が揃うゲームルーム、エクササイズルーム、エンターテイメントルーム、二段ベッドが設置されたバンクルーム、ストレージルーム、さらに2つのゲストルームが配置されています。